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「浜太郎・ゆりえ」の繁殖経過報告

飼育員

※ケガによる負傷部の写真を掲載しています。

2026年2月から7月にかけて、日和佐うみがめ博物館カレッタでは、リニューアル後初となるアカウミガメ「浜太郎」と「ゆりえ」の繁殖に向けた同居観察を実施しました。

今回は、行動観察や健康診断、産卵の様子から分かった繁殖の経過をご紹介します。

 

<繁殖行動の始まり>

2~3月、水温14.8~17.4℃の時期には、浜太郎がゆりえを追いかけたり、交尾姿勢をとったりする様子が確認されました。しかし、ゆりえが警戒して逃げる場面も多く、交尾には至りませんでした。

4月に入り、水温が18℃前後まで上昇すると、浜太郎の繁殖行動はさらに活発になりました。一方で、追尾によってゆりえが左眼下瞼を負傷したため、獣医師による治療を行い、同居を一時中止しました。

6月17日には、浜太郎とゆりえが約1時間にわたり交尾姿勢をとる様子が確認されました。今季の同居観察では最も長い時間でしたが、実際に交尾が成立したかどうかは確認できていません。

<繁殖の進行と産卵>

3月の血液検査では、浜太郎とゆりえの両方に、特徴的な血液成分の変化が確認されました。繁殖期には、総タンパク、コレステロール、中性脂肪などの値が上昇することがあります。

また、エコー検査では、ゆりえの卵巣に多数の卵胞(直径約3cm)が確認され、卵の形成が進んでいることが分かりました。

7月の検査では、卵の殻が形成された状態も確認され、産卵が近づいていることがうかがえました。

7月中旬にはプール水中内での産卵が複数回確認されたため、砂浜スペースを拡張するなど、産卵環境の改善を行いました。

そして7月28日早朝、砂浜に足跡を発見。砂の中から29個の卵が見つかりました。卵は保護のためバックヤードへ移動しましたが、後日の確認では発生が進んでいない様子がみられ、未受精卵である可能性が考えられました。

また、7月12日から31日までの間に、プール内でも卵や卵殻が確認されました。

<個体の安全を守りながら>

今回の繁殖観察では、血液検査やエコー検査、行動観察を通じて、ゆりえの繁殖サイクルを把握することができました。

一方で、繁殖行動に伴う負傷も発生しました。7月26日にも、ゆりえが右眼上瞼を負傷。獣医師による縫合処置と投薬治療を行いました。

ウミガメの繁殖行動には、追尾や咬みつきなど、自然に起こりうる行動が伴い、ケガのリスクもあります。こうした行動についてもご理解いただければと思います。カレッタでは、獣医師と連携し、万が一の際にも迅速に処置や治療を行える体制を整えています。

現在76歳の浜太郎。

今後、繁殖が成功すれば、世界最高齢齢の繁殖記録として新たな歴史を刻むことになるかもしれません。これからも浜太郎とゆりえの歩みを、温かく見守ってくださいね!

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