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美波町が好きで、大浜海岸が好きで、ウミガメが好きで。カレッタで働く人たちの愛のあるお話し。

吉澤さん&長楽さん

カレッタの魅力を考える。カレッタ従業員だからこそ分かる内なるカレッタ。全てをグレードアップして生まれ変わるリニューアル後のカレッタに思うこと

カレッタの事務員として働く吉澤美栄さんと飼育員の長楽美保さんに、カレッタの現状やリニューアルに当たっての変化等様々なお話を伺ってきました。

平成25年からカレッタの飼育員として勤められている長楽さんは、以前イルカトレーナーや動物園などでの就業経験があり、様々な生き物の生態系を知りたいと以前から親交のあった大学ゼミの先生の繋がりを機に、うみがめ博物館カレッタでの仕事をスタートされたそうです。業務内容は餌やりから始まり、水槽の掃除、成長記録、ウミガメツアーのガイド、体験イベントの企画構成など多岐に渡るそうです。

美波町出身の吉澤さんは平成12年からカレッタで勤務されており、受付、お金の管理、イベントやスタッフのスケジュール管理などをされているそうです。大きなプールの掃除など、大掛かりな清掃や行事に関しては全体的な計画をしたりもするそうです。

ウミガメを毎日身近で触れ合っているからこそ感じる、ウミガメならではの特性と魅力とは

長楽さん:
毎日、餌やりや掃除などウミガメと接することの多い長楽さんは、これまで動物園やイルカのトレーナーを経てさまざまな動物に触れてきました。カレッタで働き始めて改めてウミガメの魅力に気づいたと言います。

「ウミガメは行動がとてもゆっくりしていて、成長スピードも他の動物たちと比べるとすごくゆっくりで、他の動物が数日かけて成長することに対して、ウミガメ達は2、3年かけてゆっくりと成長していったりすることがあります。長生きすると言う事が関係しているかもしれませんが、そのスピード感が愛くるしく可愛く感じます。野生のウミガメは、ゆっくりと長い長い時間をかけて黒潮に乗って同じ場所に帰ってきて産卵し海へ帰っていく。生まれた子ウミガメ達は両親に育てられる訳でもなく、自力で孵化し海へ帰っていく。オスやメスが交代で餌を取りに行ったりして育てる訳ではない、壮大な海の中でも力強く生き抜く。他の生き物にはない魅力だなと思います。」

また、他の動物達とコミュニケーションにもやはり違いがあって、それぞれ何を考えているか、どうストレスを感じているかなど、飼育の先輩達から聞いた事を学んで実践していかなければならない。こちら側がウミガメ達がどういった気持ちかを汲みとって接しなければいけない。その部分が面白さと可愛さを感じる部分でもある様です。

面白さを感じる部分は他にもあるようで、あまりイメージはないですがウミガメ達は実は結構寝てるそうです。明るい日中は活発的に動いていたりするのですが、閉館時間が近づくと寝てしまっている子もいるし、翌朝飼育員がきた時にまだ夢の中のウミガメもいるのだとか。普段見れないウミガメを見るには少し時間をずらして行ってみると長楽さんの言うような新しい一面のウミガメも見れるかもしれませんね。

雨の日も風の日も雪の日も。毎日触れ合うことで気づけること

餌やりに関して言えば、夏と冬で動きが全然違うらしく、夏は餌の時間になると群がる様にして食事をしているんですが、冬になるとゆっくりゆっくり動いて食事をするんだとか。飼育員さんの立場からすると

「ゆっくり動いてくれていた方が全体に満遍なく餌を与えることができるので安心はします。しかし雨の日も、強風の日も、台風の日も関係なく餌は与えないといけないので、そこは大変ですね。」

と話されてました。

実際にインタビューに伺った日は北から冷たい強風が吹き荒れる日でしたが、ウミガメ達全体に満遍に餌が行き渡るようにプールの縁を何往復もしながら餌やりを行っていました。

「毎日、餌やりをする事で見えてくることもある。」そう話す長楽さん。

リニューアル後ウミガメ達の微妙な変化を見極められるのは、こういった積み重ねの部分も大切になっていくのだなと感じました。

30年間積み重ねてきた貴重な過去の歴史ある情報のアップグレード

長楽さん:
「建物自体がかなり古くなってきています。もう30年ぐらいになるのかな?老朽化が進んでしまっている箇所もあるし、雨漏り等で傷んでいる箇所もあります。バックヤードや必要最低限のモノを保存保管しなければいけないスペースもあります。働いているからこそ必要と感じる空間の事を、アイディア出しの時からの意見をベースに設計士さん達が考えてくれたモノが綺麗に形になるのは楽しみです。展示内容に関しても、できた当初の情報がどんどんリニューアルされていっています。昔、正しいと思われていた事が実は間違っていたり。逆も然りなんですが、そういった歴史の積み重ねられた情報が新しく展示されることは今からでも楽しみです。昔に比べると新しい発見も多くあると思うので内容量のある魅力ある展示になって欲しいと思っています。」

長い歴史の中で、世界的にみても貴重な情報が詰まってるカレッタの展示ですが、今回のリニューアルの際に更新される情報もあるようです。吉澤さんや長楽さんもカレッタの展示の情報には歴史があり、とても価値がある。自分の知らない情報がそこにはあるかもしれないと言う事で今からワクワクが止まらない様子でした。

飼育員としてウミガメを世話する立場と、事務員としてお客さんと接する立場のそれぞれが思う変化するカレッタ

今あるものが大きく変化し対応していかないといけません。現場で働いているお二人はより色んな事を感じてると思い、それぞれが感じる現状でのカレッタリニューアルに関して聞いてみました。

長楽さん:
「今この時点で変化が起きていることっていうのはあまりなくて、これから色々なことが変化し動いていく事に対して、考えていったり話し合いをしていかなければならない事が増えていくんだろうと思います。工事の最中、ウミガメの移動の際にストレスを感じなくさせるにはどうしたらいいか。とか、新しいプールになってウミガメ達が環境の変化についていけるのか?ですかね。変化が直ぐに出るならそのタイミングで相談し解決方法を探していけるが1ヶ月後、半年後、1年後に変化が急に出てきた時に対応していけるかは不安です。全てが新しいことで不安な要素が沢山あるのは確かです。でも、逆に上手いこと進むかもしれないし、実際のところ動き出してみないと分からないですね。その変化を見つけられる様に今の時間を大切にいけたらと考えてます。」

吉澤さん:
「ウミガメのプールが新しくなって環境が変わる事によって心配なことは、やはりウチの浜太郎坊ちゃんがお気に召すかどうかですかね。日和佐生まれ日和佐育ちのお坊ちゃまなので(笑)プールがやはり一番気になりますね。今の所どんな感じになるのか、設計図だけではわかりにくい部分もあるので。中の展示はなんとなくは想像できるのですが。浜太郎がどんな反応をするのか早く見てみたいですね。そこは不安であり楽しみです。」

お二人ともやはり、ウミガメ達が何を感じどの様な影響が出るのかをとても心配されている様でした。

地元の人も外から来られる人も、今回のリニューアルで美波町の魅力を再発見できるような素敵なキッカケに

実際に、受付で様々なお客さんと接してこられた吉澤さん。長楽さんとはまた違った目線で今回のカレッタリニューアルに関して考えておられる様でした。

吉澤さん:
実際県外の来館者の方が本当に多く、地元の人達にその凄さがあまり伝わっている様に感じられないようです。カレッタを目的に北海道から沖縄まで全国色んな所から来られ、お客さんの中には海外をたくさん周った方もおられる様で

「ここの大浜海岸は本当に綺麗で素晴らしい」

と握手しながら言ってくれる人もおられたそうです。吉澤さん自身も大浜海岸が好きだから褒めてもらって自分のことのように嬉しいと話されておられます。

「来館者の中には、親子3代で来てくれる家族もいます。あの時、小さかった子が大きくなって子どもを連れておじいちゃんと来てくれる。そう言った時代と人とを繋げる大切な場所だと思ってます。そして、小さい子ども達にも気づいて欲しいです。地元の良さを。知る事によってまた町が発展するキッカケになるかもしれないし。目の前にある物が当たり前にあるんじゃなくてとても尊いモノなんだと。自然にしろウミガメにしろ。ウミガメの産卵地として、とても希望ある場所だと思っています。色んな形で応援してくれてる人もいます。もっと地元の人とも分かち合えるような場所にもなって欲しいなと思います。」

今回のカレッタリニューアルは改めてウミガメの事や大浜海岸のすばらしさ、美波町の繋がりや魅力を見直すいいキッカケになり、たくさんの人に愛されるようなカレッタになれば良いですね!!

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